父が肥満のでっぱ虫です。
肥満って色々な理由があるけど、その1つにマーガリンやマヨネーズ、揚げ物などに含まれるトランス脂肪酸が挙げられるよ。
アメリカでは2018年6月までに、トランス脂肪酸を禁止にするってニュースで見たよ!
・・・でもなんで?やっぱり危険だから?
※正確にはトランス脂肪酸ではなく、部分水素化油脂の禁止。
部分水素化油脂にはトランス脂肪酸が多く含まれる
肥満だけでなく、心臓病、動脈硬化などの病気原因になる、すっげー悪い奴なんだ!!
ガクブル
今回は危険な匂いのぷんぷんする「トランス脂肪酸」とは、どんなものなのか?
どのようにしたら発生するのか?
どんな食品に含まれるのか?
本当に危険なのか?
日本の対応は?
私達に出来ることは?
詳しくみていきましょう!
目次
トランス脂肪酸とは
トランス脂肪酸には天然由来のものと、
油を作る時に発生する人工由来のものに分けられます。
天然由来のもの
ですので、牛や羊の肉や乳、その加工品にトランス脂肪酸がちょろっと入ってます。
天然由来のトランス脂肪酸が身体に悪くないといったらウソになりますが、
私たちがとってる、80%以上のトランス脂肪酸は人工由来のものです。
トランス脂肪酸はどうやったら出来るの?
トランス脂肪酸が出来る時
2.植物油の原料を高温にして食用油を作る時
3.調理の際に植物油を高温に熱した時
1 植物油に水素を加える
水素を加えることによって、なんと油は固まるんです。
マーガリンも固形でしょ?
あれは植物油に水素を加えたからなんだ。
(追記:現在は水素を添加せずにマーガリンの製造が可能になり、トランス脂肪酸の危険性も軽減)
でも、トランス脂肪酸が発生しちゃうんだよね~。
これ知ってる!!
原料の大豆やキャノーラ(なたね)から油をとる時に、すごい高温にするんだよね。
その時にトランス脂肪酸が発生するって勉強したよ。
トランス脂肪酸は高温が大好きなんだよね!
トランス脂肪酸を発生させないために熱を加えずに作る食用油の作り方もあります。
ですが、なにせ手間と時間がかかりますので、企業はそんなちまちましたことはやりません。
安く、大量に作れるこの方法が主流です。
家で揚げ物をする時にも高温にするから、トランス脂肪酸が発生すると言われているよ。
ただ、油の温度が200度を超えたあたりからトランス脂肪酸が大量に発生するんだ。
普通の家庭で揚げ物する時は190度くらいだから発生するトランス脂肪酸の量はごく少量だね。
トランス脂肪酸の危険性
トランス脂肪酸が発生する条件はわかったぞ。
じゃあ危険性ってなんなんだろう??
あ、いいところにトランス脂肪酸くんがいるじゃないか。
僕は積極的でアクティブな奴なので、細胞膜に直接悪さしちゃいます。
細胞膜は老廃物の排出や、栄養素の受け渡し、情報伝達など私たちの体を正しく機能するようにコントロールしています。
この細胞膜を構成している成分は実は脂なのです。
だけど、僕のような悪い脂で細胞膜が構成されてしまうと・・・
細胞(DNA)自体にもダメージをくらわせちゃいます。
僕は活性酸素も大量に発生させちゃうからね~。
活性酸素は、体内の侵入してきた悪いやつ(細菌など)をやっつける、いい一面もあるんですが、逆に、身体の中に活性酸素が増えすぎると悪い奴に変身しちゃうんです。
二重人格ですね。
どう悪いかって、私たちの身体までやっつけようとしてしまうんです。
僕のせいですみませんね。
トランス脂肪酸によってかかりやすい主な症状
トランス脂肪酸は上記のように、様々な万病のもとになります。
参考サイト:医学統合研究会 トランス脂肪酸の危険性
美肌の条件は、サラサラ血液です。
しかしトランス脂肪酸をたくさん摂取していると血液がドロドロになってしまい、その結果肌荒れにもつながります。
また善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やすため、動脈硬化の原因にもなります。
他にもトランス脂肪酸の摂取が多い人は記憶力が低いというアメリカの研究もあります。
でっぱ虫のお父さんがこう・・ちょっとぽっちゃりしているのも、このトランス脂肪酸のせいかもしれないて言ったよね。
「中年太り」も体内の老化の結果、太りやすくなるんだ。
それと一緒でトランス脂肪酸が細胞にダメージを与えたり、活性酸素を大量に発生させると身体の中から老化が始まるよ。
そうすると代謝も悪くなり、肥満になるんだ。
悪いやつですね~。
やっぱり悪は嫌われます。
いかに世界各国で嫌われているのか詳しくみていきましょう。
トランス脂肪酸の世界各国の規制
アメリカ食品医薬品局(FDA)が水素を加えた時に出来るトランス脂肪酸は安全ではないとはっきりと宣言し、規制や禁止をしています。
でも、植物油の原料を加熱する際と揚げ物をする際に発生するトランス脂肪酸は・・?
何故なら、マーガリンなどを作る場合の水素添加でできるトランス脂肪酸が圧倒的に多いからね。
ニューヨーク市内ではマーガリンやショートニング(水素化して発生したトランス脂肪酸を多く含む)をすべての飲食店で使用禁止にしています。
ケーキやパンなどにマーガリンも使っちゃダメなんです。
うーん。実際、人工トランス脂肪酸摂取量が減った国は病気が減ったの?
トランス脂肪酸を減らした効果
●ニューヨークでは、トランス脂肪酸を規制しなかった場合よりも心疾患による死者数が年間10万人当たり13人少なく、約390万ドルの医療費節約に!(日本円で約4憶円)
●デンマークでは3年で10万人当たりの死亡者数14.2人減少!(米予防医学ジャーナルより)
スイス、オーストラリア、カナダ、シンガポールでもトランス脂肪酸の規制をしています。
また韓国、中国、台湾、香港でもトランス脂肪酸含有量の表示を義務にしています。
はい。冒頭で述べたように野放しです。
野に放たれて、自由に駆け回ってます。
表示の義務さえないんです。
何故日本でトランス脂肪酸は規制されないのか
「日本の食生活では健康への影響は小さい」という判断から、なんの規制もされていません。
国際機関が決めたトランス脂肪酸の目標摂取量
総エネルギー摂取量の1%未満
1人1日当たり約2g未満(日本人が1日に摂取するエネルギーを平均1900カロリーとして)
平成17~19年の調査から、日本人が食品からとっているトランス脂肪酸の1人1日あたりの量は0.92~0.96gであると推定しました。(2g未満)
これは、平均総エネルギー摂取量の0.44~0.47%だから大丈夫でしょうという結論になったのです。(1%未満)
参考:農林水産省
ここで、トランス脂肪酸を規制しなくていい派の方と、規制しよう派の方に来ていただきました~。
にゃー!!!
訳: こんにちは。
「トランス脂肪酸を規制、規制」とうるさいんだよ派です。
先ほどの農林水産省が証明したように、日本人はお米ばっかり食べているからトランス脂肪酸の量はそんなに多くないんです。
さらに、一部の市民団体が「トランス脂肪酸を減らせ減らせ」言うもんだから、日本でも色んな食品メーカーが原料を変えたり、製法を変えたり努力しているんですよ。
だから、トランス脂肪酸の摂取量は先ほどの農林水産省の調査結果よりも多分低くなっているのでわざわざ規制する程ではないと思います。
ワンワン!!
訳:こんにちは。
トランス脂肪酸は日本でも規制しないといけないに決まっているだろう派です。
イェ―ル大学医科大学院のエリックJ・ブラント博士は、トランス脂肪酸の規制から、3~4年後に心臓発作の報告件数が7.8%減ったと報告しています。
ブラント氏によれば人工トランス脂肪酸にはそもそも安全な摂取量など存在しないと主張しています!
日本も禁止までは難しくとも、トランス脂肪酸含有量の表示を義務化すべきです!!
参考:2017 New York Times New Service
訳:あのね、表示を義務化にすると、企業は食品の含有量を測定したり、パッケージを変えたりしないといけないでしょ。
一体、いくらのコストがかかると思っているんですか?
日本人にとってはそこまでやる程の問題じゃないと国が判断したのですから。
訳:結局、食品会社の利益を守ろうとしているんじゃないんですか!
でっぱ虫的には犬派ですかね。
トランス脂肪酸が含まれる食品
人工トランス脂肪酸含有量 平均値(g/100g)
(小数点第2位、四捨五入)
マーガリン 3.2g
ショートニング 4.5g
ファストブレッド 1.2g
マヨネーズ 1.2g
植物性油脂 1.3g
生クリーム 3g~お菓子系~
ビスケット 0.7g
クッキー 1.9g
パイ 4.7g
ポテト系スナック 0.3g
コーン系スナック 1.7g
米菓子 0.3g
チョコレート 0.1g
シュークリーム 0.5g
スポンジケーキ 0.9g~その他~
食パン 0.2g
即席中華麺 0.1g
参照:農林水産省(マーガリン、ショートニング、ファストブレッドは2014年調べ)
食品安全委員会(その他、平成19年調べ)
平均値のため、実際はメーカーによってばらつきがあります。
また植物油脂を使った加工食品も要注意だね。
トランス脂肪削減に取り組む企業
トランス脂肪を削減しようと頑張っている企業もあります。
セブン&アイ・ホールディングスはトランス脂肪酸を含む商品の取り扱いを将来的にやめる方針を発表しています。
セブンプレミアムなどのプライベートブランドを中心に、既に削減に取り込んでいます。
セブンイレブンの他、イトーヨーカ堂、そごう、西武などグループ全体で全廃を目標にしています。
他にも
山崎製パンやPasco、ハウス食品、神戸屋、ミスタードーナツ、明治製菓、ロッテなど・・
家庭で使う油のおすすめ
これから何で代用しようかな?
あと家で使うサラダ油やキャノーラ油にもトランス脂肪酸って含まれているんだよねえ。
トランス脂肪酸が極力含まれていないおすすめの油ってないかなあ・・
マーガリンの代用はグラフェッドバターやココナッツオイルをおススメします!
天然のトランス脂肪酸が含まれているけど、少量だね。
ココナッツオイルも低温圧搾したものなら安全だし、パンにマーガリンの代わりとして塗っても美味しいよ!
グラスフェッドバターとは?普通のバターとの違い4つ!おすすめの商品も紹介します
ココナッツオイル、本当に安全でおすすめ出来るものはコレだ!!!!5選
他のおすすめ家庭用油
●エキストラバージンオイル(粗悪の偽物が多く出回っているため以下の記事で正しいものを選んでください)・・加熱しないでそのまま使用
エキストラバージンオイル 本物の見分け方。12のチェックポイント
●国産の良質な、なたね油
なたね油の効果と安全な選び方。ここを見て!2つのポイント【おすすめ商品も】
●高オレイン酸油の紅花油
紅花油:危険じゃない紅花油を選ぼう!紅花油のうれしい効果【おすすめ紅花油も】
●高級米油・・揚げ物や炒め物に
こめ油の嬉しいアレコレ9個【結局、危険なのか?安全なのか?】おすすめも。
●えごま油(低温圧搾・・熱を加えていない)
●亜麻仁油(低温圧搾)・・酸化しやすいのでドレッシングなどに使用
私達がやれること
外食や加工食品など、多くの場所でトランス脂肪酸を口にする機会が多い今の現状で、完全にトランス脂肪酸を口にしないのは難しいと思います。
ですが、なるべく意識した生活を送ってみてください。
私達が出来ること
●加工食品の裏面に「植物油脂」や「ショートニング」と書かれているものを避ける
●安価な揚げ物のお惣菜や、ファーストフードを食べるのをやめて自炊する
●マーガリンを買わずグラスフェッドバターやココナッツオイルで代用する
●安価な油ではなく安全な油を家庭用にする
etc・・
国が規制しないなら、自分で出来ることから実践してみようっと。
※トランス脂肪酸だけではなく、飽和脂肪酸などを含めた脂質のとりすぎ、食塩のとりすぎにも十分に注意してください。(農林水産省より)